“ぼっち”を肯定する蛭子哲学『ひとりぼっちを笑うな』


いつもニコニコしている自由人、蛭子能収さんの著書『ひとりぼっちを笑うな』を読みました。


これまでは「漫画家なのによくテレビで見かける、変わり者のおじさん」という印象しかなかったのですが、良い意味で裏切られた。“ぼっち”の心境を代弁してもらったような、心地良い読後感をもたらしてくれる良い本でした。“蛭子さん”の印象が変わった。


本書で語られるのは、蛭子流「ぼっち論」



“自分のことを、あらかじめ低く、低く見積もっていたほうが、人生ってラクですよ。”



集団に属するから、肩書きを持つから、レッテルを貼られるから、疲れる。それならば、常に自分をレベル1だと見積もっておくことで他人から規定されず、自分の価値観で戦えるのではないだろうか。


ぼっちだろうがリア充だろうが非モテだろうが、自分を「内向的」な性格だと感じている人に広く薦めたい一冊です。こうして見ると、ひとりぼっちも案外悪くない。そう思えます。



“ひとりぼっちでいることは、悪いことばかりではありません。悪い孤独は人をむしばむけれど、そうでない孤独だってきちんとあるはずなんです。だから、あなたはそのままでいい。自分のなかでブレることなく、自分の思ったとおりに生きていれば、きっといつかは、周りが認めてくれるようになるものです。”



全体的にユルい文体が続き、ツッコもうと思えば矛盾もあるのだけれど、「それでもいいじゃないか」と思わせてしまうのは蛭子さんの人徳によるものなのでしょうか。


全てに賛成することはできなけれど、自分を「内向的」だと感じている僕にとっては、共感できる点の多い、読んでいて何かがスーッと抜けていってスッキリするような、不思議な本でした。その中にも、耳が痛いと感じる点もあり、程よいバランスです。



元記事:生きづらいと思い込んでいる人へ(『ひとりぼっちを笑うな』を読んで)



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